「ゆとり世代を即戦力にする50の方法」新刊発売のお知らせ

アカラ・クリエイト 代表取締役 井上健一郎の新刊。2013年4月発売。 More »

 

組織運営に役立つ理論〜その2:悪循環モデル〜

前回、マサチューセッツ工科大学ダニエル・キム教授が提唱している、成果をあげるための組織運営として非常に重要な「成功循環モデル(グッドサイクル)」という考え方について述べました。メンバーが相互理解し尊重しあえる関係を作る(関係の質を高める)事が何よりも最優先だというのです。この関係性があってはじめてメンバーが「自主的」にかつ「建設的」に考え、行動することができるため、結果の質が高まるということでした。同時にダニエル・キム教授は、メンバーが「受け身」で「消極的」になりやすく、そのために「結果の質」をさげてしまうという落とし穴が組織運営には潜んでいるとも言っています。
それは、組織運営において、結果だけを求めることでおこりやすくなるバッドサイクル(悪循環モデル)です。

組織運営に役立つ理論〜その1:成功循環モデル〜

組織運営に役立つ理論〜その1:成功循環モデル〜

組織運営を行うにあたって、知っていると助かる理論や考え方があります。それらを今後紹介していきたいと思っていますが、今回はその中のひとつ「成功循環モデル」という考え方についてです。これは、マサチューセッツ工科大学のダニエル・キム教授が提唱したもので、組織の成果を高めるために必要な知識と言えますし、チームマネジメントしていくうえで非常に示唆に富んだものとなっています。

意思決定を下位に委譲する機会を設ける

意思決定を混ぜるとは?

前回新しい発想を生むために、組織は「混ぜる」ということを意識したほうがいいということを述べました。今回も引き続き「混ぜる」というテーマですが、前回は「ひとり二役」担わせるという方法による「役割の混ぜ方」についてでしたが、今回は「意思決定の混ぜ方」についてです。「意思決定の混ぜ方」は、組織の中での「縦の混ぜ方」とも言えるもので、意思決定を下位に委譲する機会を設けるということです。

”ひとり二役”で組織の視野拡大

組織を混ぜるとは?

前回、新しい発想を生むために組織は、「分ける」だけではだめで、「混ぜる」必要があると述べました。では、「混ぜる」というのは一体どんなことでしょうか?混ぜることの最大の目的は、組織としての視野の拡大です。分けて専門性を高めるのが深さの追及だとすると、混ぜるのは拡がりの追及ということになります。特に、現場の視野を拡げるために工夫をする必要があります。現場のスタッフの視野が狭いと問題発見が遅れるからです。そしてその遅さは今や致命傷になる可能性が高いからです。

”混ぜる”という組織運営課題

「組織づくり」ということを考えるとき、多くの人がまず「組織図」をイメージされるのではないでしょうか。例えば製造業であれば、製造部、営業部、管理部という業務の流れに沿った役割分担によって部署を分けることを考えると思います。組織の最初の目的は、自社の業務の流れを精確に運営することですから、業務担当別に人を配置することは当然で、役割分担に沿って人を「分ける」ことで、より役割に特化させ、専門性を高めようと試みるわけです。さらに、誰が組織としての意思決定をするか、つまり「決める」役割をはっきりさせるために部長、課長という役職を置きます。彼らには、部署をまとめるというもうひとつ大切な役割が課せられます。いわゆるヒエラルキーが生まれるのです。

相手の考える力を高める”質問力”

高い仕事の成果を出せるのも、残念な結果になってしまうのも、どれだけ「行動」したかということの結果です。みなさんも、新人のときには「ちまちま考えるより、とにかく体を動かせ!」と指導されたのではないでしょうか。

昔、若者はとにかく動かされたが・・・

経験の少ないうちは、経験値を上げるために何でもまずやってみるということは非常に重要です。経験がないうちは、「失敗するんじゃないか?」という不安が先に立ちやすいので、いっそう動きが鈍くなることがあるため、「とにかく動け」ということを教えてくれたのだと思います。しかし、今の若者を育てるときには、少し様子が違うようです。行動を促す指導がいけないのではなく、その前にじっくりと「考えさせる」ことがポイントになってきます。