「思考の質」を高めるために「自分で決めさせる」

「関係の質」が高まり、お互いが尊重しあえるようになると、意見交換が活発になると同時に、考え方が前向きな人が増えますから、出される意見自体が建設的になることは確かですが、「関係の質」が良くなれば、「成功循環モデル」の次の段階「思考の質」「行動の質」が自動的に良くなるというほど簡単ではありません。

「関係の質」の上に、「思考の質」「行動の質」を高めるための工夫も必要なのです。

まず「思考の質」を高めるためにしたい工夫ですが、

それは、

1. 「自分で考え、自分で決める」体験を積む

2. 経験から智恵を生む機会を増やす

という2つになります。

「自分で考え、自分で決める」という機会を持てるかどうかは、職種や上司の考え方などによって異なりますが、私が見てきた範囲では、予想以上に現場の人が「自分で考え、自分で決める」ことが少ないように感じています。

面白い傾向としては、「自分で考えなさい」というメッセージを強く発信している会社で、その逆のことが起こっていることが多いということです。

そういう会社では、「自分で考えろ」と言いながら、「どう考えたのか」ということに厳しいチェックが入っていたりします。挙句の果てに「そんな考えじゃだめだろう」と強いダメ出しがされていることころもあります。実は、「自分で考え、自分で決める」というふたつの要素のうち、「自分で考える」ことよりも「自分で決める」ことを社員に推奨する方が、「思考の質」を高めるためには効果的です。

ところが、多くの場合、あくまでも決めるのは上で、考えるのが下となっているため、考えても決める立場にいる上の人間から否定されるケースは否応なく多くなるのです。

「決めさせる」勇気がいることではありますが、どんな小さなことでもいいので、任せて決めさせる。それは、時間の経過とともに想像以上の効果を発揮します。宴会の段取り、パンフレットづくり、新しいコピー機決め、もちろん「この範囲でね」という条件をつけることにはなると思いますが、どんどん下の人に決めさせてあげましょう。