Blog「ひとこと、ヒトのコト」

17.日本の位置

私が塾長を務めさせていただいている「創心究和塾」で、先日阪神大震災の時に神戸に出動、、人命救助活動の指揮を実際にとられた元自衛隊の 武田能行 先生に講義をしていただきました。武田先生の講義の大きなテーマは「統率」ということですが、武田先生の第1回目にあたる今回は、「国際社会に立ち向かう経営者が理解しておくべき日本の歴史観」というテーマでお話しをしていただきました。

余談をはさみますが、読売新聞とイギリスBBCが共同で33か国対象の世論調査をした結果、国際社会に影響を及ぼす17か国、国際機関についての評価で「世界に良い影響を与えている国」として、ドイツに次いで日本が2番目に入りました。前回の調査でも4位に位置していたのです。

http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20100418-OYT1T00861.htm

この調査でも分かるように、海外で日本は高く評価されているのです。

しかし、一方で日本人自体は自分たちを卑下しているように感じます。その傾向が大きく表れるひとつの面として、日本人自身が持っている歴史観というものがあると思います。国際社会の歴史の中で、自分勝手な行動を取り続けてきたと思っている人も少なくないでしょう。しかし、国際社会の歴史は、常にすべての国が自国が権益をどれだけ得るかといういわゆるエゴをベースにして繰り広げられてきました。日本だけがエゴを丸出しにしたわけではないのです。いやむしろ、欧米列強が軒並み植民地を拡大している中で、独立を守るために奔走した姿があります。日本とタイだけが一度も植民地化されずにすんできたのは、そのことの表れなのです。

ですから、今一度過去を冷静に振り返り、そこからたくさんの教訓を得なければいけないと感じました。

武田先生の講義の中で、大変興味深かったことは、日本の地理的条件です。

いつも見慣れている、日本を中心とした地図ではなく、アジア大陸側から太平洋を臨む位置に地図を回転させてみてみると、そこには、大陸から太平洋に出ようとするときに、日本という国が邪魔になっていることがよく分かります。そして、朝鮮半島が、太平洋に出る前に邪魔な日本へのルートになっていることが分かります。また、ぐるっと地図を再度回して、今度は反対に太平洋からアジア大陸を臨む位置におくと、大陸に進出しようとしたときに、また日本が邪魔になっていることがよく分かります。

このような、地政学的な日本の位置を頭に入れて、歴史上大陸、朝鮮半島、太平洋で起こった衝突を考えてみると、一生懸命大陸と太平洋の間に位置する小国日本が自国を守ろうとがんばった姿が容易に想像されてきます。もちろん、戦争を肯定するものでも、先の大戦時の失策を擁護するものでもありませんが、その視点だけで見ていると歴史全体を見るときに、誤ることもあると思います。

いずれにしても、客観的に一度日本の位置をいろいろな角度から観てみることは、国際社会の中で生きていくこれからの国際人には必要なことだと思います。

そして、歴史上の国際社会との衝突がなぜ起きたのかということを正しく理解しておくことは、国際ビジネスの世界で対等に渡り合っていくときに大変重要な心構えとなるでしょう。一度、地図をぐるぐる回して見ながら、かつて東アジアで繰り広げられた欧米列強、中国、韓国、日本が関わった歴史を紐解くことをお勧めします。

また、国際ビジネスを対等に渡りあっていくために、もうひとつ覚えておかなければいけないことがあります。それは、国際社会の常識と、日本の常識は異なる面があるということです。そのような「国際儀礼」の話を「創心究和塾」では、実際に国際ビジネスを経営していらっしゃる株式会社ソフィアネットワークス代表取締役の岩崎義久様に講義していただいております。

その点は、別機会でお話しします。

 

 

*今回、「創心究和塾」のメイン講師の徳山先生がやってらっしゃるスクールの体験セミナーがありますので、そちらを紹介させてください。

女性向け、経営者向けと対象は2コースありますが、どちらも貴重なお話しが聞けますので、一度体験されることをお勧めします。

 

【Grace Akademeia・HERMES Akademeia 体験会のご案内】

幸せになりたいというのは全ての人の願いです。

しかし、心から「幸せ」と言える人は一体何人いるのでしょうか。

「幸せ」を実感している人は、仕事も恋愛・結婚も順調で、
気の合う仲間、健康、経済的な豊かさの全てを手に入れています。

一方で、仕事も恋愛・結婚もいまいち、孤独で漠然とした将来への不安を抱え、
健康を害して、経済的にも窮困している人たちもいます。

この違いは一体何なのでしょうか?

健康、仕事、恋愛・結婚、自己実現、経済的な豊かさ、
これらは別々のもののように見えて実はつながっているのです。

「幸せ」な人たちは、全員共通する考え方を持っています。

そうでない人たちは、「幸せ」な人とは全く逆の考え方をしてしまっているだけなのです。

Grace Akademeiaは、全ての人の人生を煌めかせる考え方を学べるスクールです。

また、HERMES Akademeiaは、経営者専用の企業を発展させる考え方を学べるスクールです。

自分の人生を、他人と比べる必要はもうありません。
自分の人生を、誰かに決めてもらう必要もありません。
自分の人生は、自分で切り開いていけるのです。

この度、より多くの方にこの素晴らしい考えを知っていただきたく
体験会を開催します。
是非この機会に実感していただければ幸いです。

【こんな方におすすめです】
・素敵な結婚をしたい方
・心身ともに健康になりたい方
・子供の才能を引き出したい方
・自分の使命を見つけたい方
・夢を叶えたい方
・ビジネスを拡大するためのアイデアが欲しい経営者
・従業員をうまくマネジメントしたい経営者

【体験会で学べること】
・自分の使命とは?探さなくても自分で気づき見つけられる。
・今の日本の役割、女性の役割。
・結婚と運命。赤い糸ではなく、黄金の糸の相手と出会うためには。
・自由への翼。世界中どこでも自分の好きな仕事ができる。
・夢は必ず叶う。幸せノートについて。
・景気と景金。本当の成功者はお金ではなく気を見ている。
・教育。昔は親が我が子の才能を分かっていた。

ご友人や大切な方をお誘い合わせの上ご参加ください。

◆◇◆ Grace Akademeia・HERMES Akademeia 体験会 詳細 ◆◇◆

【日程】
①3/11(日) 開場14:00 開始14:30~17:00 懇親会~18:00
②3/18(日) 開場14:00 開始14:30~17:00 懇親会~18:00
③3/31(土) 開場18:30 開始19:00~21:30 懇親会~22:30

【会場】 「新idea salon」
東京都中央区日本橋茅場町2-11-8 茅場町駅前ビル3F idea salon
※1Fでインターホン(301呼出)を押して下さい。

茅場町駅1番出口を出て真っ直ぐに50歩近く歩きますと1階にHISが入っているビルです。

【交通】 東京メトロ日比谷線・東西線茅場町駅1番出口徒歩1分
東京メトロ日比谷線・JR京葉線八丁堀駅A4番出口徒歩5分
東京メトロ銀座線・東西線日本橋駅D1出口徒歩7分

【受講料】3,500円(懇親会費込み:お茶・お菓子付き)
※ペアでお申し込みの方はお一人様500円割引(会員以外のペアのみ)

【お申し込み】
下記のフォームマンにお名前・携帯電話・メールアドレス・ご参加希望の日程をご記入ください。

http://my.formman.com/form/pc/X6B6hue0ppvIfG9a/

【連絡先】株式会社Pretty inside / Grace Akademeia 事務局

E-mail:grace-akademeia@pretty-inside.com
東京都中央区日本橋茅場町2-11-8 茅場町駅前ビル3F idea salon

16.採用のシーズンが始まりました

いよいよ今年の新卒採用活動が活発になってきました。新卒採用は述べ1年半くらいの手間をかけた一大イベントです。しかしどうでしょうそれだけの手間をかけた期待の新人ですが、入社した後「こんなはずじゃなかった」というようなことが起こっていませんか。

実は、このギャップの原因は面接です。新卒採用の時の最大の罠は、「今年は○○人採ろう」と採用人数を決めていることです。採用人数を決めていると当然来た人の中から選ぶことになります。もし応募してきた学生のレベルがすごく高い場合はラッキーですが、そういうことは滅多にありません。「まあ、真面目そうだからいいか」「素直そうだしな」とある種妥協しながら面接を通している学生も中にはいるのではないでしょうか。そのようにして合格のバーは下がります。

採用は未来への投資です。特に新卒採用は会社の将来を担える人材を見つける場所です。どうですか、一度採用人数という枠をはずしては。そして、使えそうな人材ではなく、自分がこの人にだったら使われてもいいと思えるような人を探してみるのです。

そうすると、「真面目」「素直」というバーは消えて、「頼りがいがある」「ブレない」「したたか」というようなバーだけが残ります。合格ラインがぐっとあがります。社長さんも同じです。この人だったら自分が右腕になってもいいと、思えるような人を探してください。決して自分と同じように考えられる人というような自分を基準にした見方はしないでください。自分にはないものを持っている人を探すのです。

そうすると、質問も変わってきますね。「この会社に入って何がしたいですか?」という質問ではなく、「この会社に入ったら、具体的に何をしてくれますか?」という質問に変わります。結構学生はあっけに取られます。質問するのではなく、3分間という時間をあげて自由に語らせるという方法もあります。この時は、きっちりタイマーをセットして必ず3分間話してもらいます。3分間というのは準備してきた原稿なしに話すとなると結構長い時間です。たとえ、用意してきたネタがあったとしてもそれだけではもたなくなりますから、その場で考え出さなくてはいけなくなります。そこが重要です。苦しみながら、しどろもどろになって話す内容をしっかり聞いてあげてください。3分間淀みなく話す人がいたら、その人はその場で考えたことではなく、用意してきたこと、既に知っていたことを話しているだけですから要注意です。3分もたなかった人もダメです。稚拙な内容でも何とか自分がやることを話す人に注目してください。人の見え方が変わります。ただし、圧迫面接のような雰囲気だけは作ってはダメです。

また、「もしあなたがアメリカの大統領だったら、沖縄の基地問題はどうしますか」などという唐突な質問をするのも、用紙してきたネタをつかわさせない方法のひとつです。やはりしどろもどろになる場合も多いですが、どのようにそのテーマについて答えを出そうとするのか、その姿勢をまず見てあげてください。そして、内容がどれだけ面接しているあなたの心に響くものだったかどうかということは、その後に判断してあげてください。これは、先ほどの例と同じです。

採用が年中行事のひとつとして流れ作業のようになってしまっていると感じる方がいらしたら、是非一度考え直してみてください。10人採用して使える人材が半分だとすると残りの半分の中からお荷物となる人材が現れやすくなります。そのような人材を少しづつとは言え毎年溜めていくとことの怖さを感じてみてください。本当に合格ラインに達している人間が5人しかいないのなら、その5人だけを採用したほうがいいと思うに違いありません。

是非、バーを下げないで欲しいと思います。

15.改めて思う、「上司からの声掛け」の大切さ

1月は、育成型評価制度「LADDERS」の関係で、部下育成の途中経過を確認する会議に参加する機会が多かったです。それぞれの部下の「成長のための課題」への取りくみ状況と変化をリーダーたちに発表してもらい、育成上の問題点を洗い出しながら社長以下の管理職の方々と検討していくのですが、どの会社のリーダーも真剣に部下の育成に取り組む意識を持ってらっしゃっていて心強いものがありました。

会議に参加したすべての会社の上司の方々が、前回、前々回よりも部下育成への取り組み、そして指導がレベルアップしている感触を持ちました。中には、なかなか言うことを聞かない自分勝手だった部下が、非常に積極的な態度に変わり、育成担当の上司自身がびっくりするほどの嬉しい変化を示した社員の方もいました。

今回、特に印象深かったことは、上司からの声掛けを積極的に行っている職場での好転が多く見られたことです。上司から部下ひとりひとりに対して日々話しかける。とてもシンプルなことなのですが、そのことで職場の風とおしが良くなり、上司の指示や期待が伝わりやすくなっている様子でした。生産力が格段に上昇した職場もありましたが、その部署の上司の方もやはり「業務スキルが私より高い部下がたくさんいるので、ひとつひとつの業務を確認するよりも、今工場全体がどんな進行状況にあるか、ということや自分たちの職場の業務遂行が後工程に与えた好影響などについてフィードバックしてあげたりしました。そういう話をしていると、自然に「もっと効率をあげるためには、どんな優先順位をつけるといいかな?」というような話ができるようになったんです」というような発言をされていました。

一方、「どんなことでもいいから、報連相することをいつも言っているんです。ですから、どんな相談がきても話を聞いてあげました」という上司の方も数多くいらっしゃって、そのような職場では確かに以前よりも話す機会は増えている様子でしたが、前出の職場のような大きな変化は起こっていませんでした。

みなさん、コミュニケーションの大切さを強く感じてらっしゃることは同じなのですが、その方法が「自分から行動する」という場合と、「部下に行動を促す」場合に分かれていました。そして前者の、上司自ら声掛けをするような行動をしている場合のほうが、より職場としての成長が大きかったことが複数社の取りくみによって明らかになったのです。

そして、さらにわかったことは、上司からの声掛けの際に「こうしたほうがいいんじゃないか」というような指示を出す声掛けと、「どうしようか」と一緒に考えるための声掛けをしているケースに分かれていたことです。ここでも、前者のように指示をだすために声掛けをしている場合よりも、部下に考えさせるために声掛けをしている場合のほうが明らかにコミュニケーションレベルは上がっていました。

ある職場で、指示命令型の上司から、声掛け型の上司に変わったために、それまでとはまったく異なる職場に変身できたという例もありました。ここの若きリーダーが「上司が変わって、仕事で考えることのレベルがすごく上がったと実感しています。以前悩んでいたことがまるでバカゲタことのように思えます」という発言をしていたことがとても印象的でした。

私が提供している育成型評価制度「LADDERS」、そして運用フォローのアドバイスは結局のところ上司と部下のコミュニケーション促進のためのものです。コミュニケーションの大切さを自覚し、そのために自ら行動を起こした方が大きな実りを手にしている姿はとても素敵でした。

もちろん、その中には、さらに育成の段階をきっちり計画して、部下とともに実行している上司の方もいましたが、そこまでできるとさすがに部下の成長が手に取るように私にも伝わってきました。

嬉しく、そして確かな実感を得ることができた貴重な一か月でした。

14.最近の若者は・・・

1月16日に、究和エンタープライズコンコード主催セミナー「若手社員を活かす!新世代のモチベーションを引き出す、組織内「自己ブランディング」の導入」を実施しました。講師は、ビジネス心理学を専門にし、産業カウンセラーでもある慶應義塾大学SFC上席顧問所員の若新雄純さんです。彼が主宰するインターネット放送で、現役の高校生や大学生との直接の対話から、現代の若者の特徴を実感し、その傾向がどこからきているのか分析した結果を基に講演は進められました。今回はその内容を少し私の方からご紹介したいと思います。

今年社会に出る大学新卒者はの多くは1989年から1990年生まれで、生まれた途端にバブルが崩壊した世代です。1956年から1973年のGDP平均成長率9.1%の時代、1974年から1990年までの3.8%の時代のあと、彼らが生まれた直後から今にいたるまでGDP平均成長率0.8%まで下がった、そんな時代に彼らは育ちました。今後はさらに0.3%というような時代に突入することも高い可能性で予測されています。

つまり、右肩上がりの経済成長ではなく、高い水準にあるとはいうものの成長は止まった時代に育っているわけです。生まれたときから身の周りのほとんどのモノが揃っている時代、しかし、どんどん経済が成長し収入が増えていくというフローな気分はなくなった時代、そんな時代です。

低成長、もしくはゼロ成長の社会は、右肩上がりの社会とは異なる価値観が生まれなくてはいけないのですが、例えば対前年二けた成長を当然のように経営目標にすることから、新たな価値創造を目標にするというような変化を遂げなければいけないのですが、その変化に追い付かず未だに右肩上がりの価値観が社会を覆っているように思います。「社会の価値観が変わらないのに、社会は変化している。」実は、この違和感を今の若い人たちは感覚として捉えているのではないでしょうか。「なんか大人たちが言ってることは変だぞ・・・」という感じです。

どの時代も、若者は既存社会への違和感を感じて新しい時代を創りだす原動力となってきましたが、それは、今も変わりはないのです。ところが、最近の若者に関して「エネルギーを感じない」「些細なことですぐムッとする」「言ったことしかやらない」というような評価がされることが多いと思います。新しい時代を創りだすエネルギーなんかないんじゃないか、と感じる大人のほうが多いかもしれません。

物質的には飽和状態のような中で育った彼らに、物質への欠乏感はありません。それが、欲求というエネルギーが私たちの年代のようには強くないひとつの要因でしょう。また、インターネットなどバーチャルな世界で容易に自分の趣味と同じ趣味の仲間を探すことができるため、リアルな世界で趣味の違いや価値観の違う友達との摩擦を避けてとおる傾向にあります。人間関係を構築する面でも強いエネルギーを示すことはないと言えます。

情報や知識としての広がりは以前より格段に広がっている反面、人と人とがお互いに接しあい、擦りあいながら構築する人間関係は狭まっていると言えるのではないでしょうか。「頭は良くなっている、しかし、リアルコミュニケーションが下手になっている」そんな世代の若者を育てるためには、今まで常識的だった接し方ではいけないかもしれないのです。例えば、「もっとこうしたほうがいいよ」と本人がやっているやり方とは異なるやり方をすぐアドバイスすることは有効ではなくなっているかもしれないのです。そのアドバイスを、「自分のやり方への否定」として感じる人が増えているのです。また、自分を否定されたくないという意識が「間違ってはいけない」という意識になり、「これが正解だ」と感じるまで自分の意見を表に表さない傾向にあります。「頼んだことがいつまでもできないことがあるんです」と悩んでいる上司の方も多いのですが、それは「正しい答えが出ていないので報告できないでいる」という場合も多いはずです。

面倒くさそうだな、と感じるかもしれませんが、育成の立場にいる人はその辺りのことを知っていないと、思ったように育てることができなくなります。

ここまで、書くと最近の若者のマイナス面ばかりが目立つようですが、そんなことはありません。先にも書いたとおり、彼らは私たちよりも豊富な知識と情報を持っています。これからの変化スピードの速い時代に取り残されずに新しい価値を産み出し続けるためには、是非とも戦力に加わってもらわなければいけない世代でもあるのです。その彼らが自分自身のミッションに目覚めたらどんなに心強い存在になってくれるでしょうか。

そのための、キーワードは、「上司から働きかける対話」です。彼らからコミュニケーションのキャッチボールが始まることはないと考えた方が良いでしょう。「この話は正解のない話だけど・・・」というような最初の問いかけを上司からしなければいけないでしょう。そこから、まだ答えの出ていない思考の途中、例えば「頼まれたことは改善提案だけど、まだいくつかの問題点を感じる程度でどれを追及するべきか分からない」というような段階に上司から「今、どのあたりのことを考えているところ?」というような感じの声掛けをしてほしいのです。そこから、対話がはじまり、本人の発言に対して「それは、おもしろいところに気づいたね」とか、「君は細かいところにも目がいく人なんだね」というようなフィードバックをしてあげるのです。そうすることで、「自分はどんな人間に見えているのか」というようなことに自然に入っていけるのです。この積み重ねから、最終的には「自分の強みは○○というところみたいだから、そこを活かしてもっと□□な仕事をやろう」というような自己の確立をしていけるのです。この状態になれば「自分自身でミッションに目覚める」ことは容易でしょう。「自分で考えたことは、一生懸命やる」これも彼らの世代のひとつの特徴なのです。

このことを若新さんは「自己ブランディング」と言っています。

上司から始まる対話、そしてフィードバック、その際とにかく自分自身で考えさせる。これが新世代の若者を戦力化するために上司が心に留めておかなければいけないことのようです。先日参加したある会社の評価会議でも、これを裏付けるような新入社員に関する報告が数多くなされました。

新世代の育成方法について若新さんにも加わっていただき、これから体系化していく予定です。

13.新年ブログはじめ

2012年がスタートしました。昨年の大災害の影響がまだまだ終息していない中ですが、新たな年が始まったということはやはり心が改まるものです。今年は、もっと多くブログを更新しようと思っていますので、ひきつづきよろしくお願いいたします。

私は、ここのところ、「場」というものの大切さを痛感しています。「場」ということについては、いろいろな定義がありますが、(参考文献:場のダイナミズムと企業 東洋経済新報社)ポイントとなるところは、参加する者の「相互作用」によって、単なる個人の考えだけでなく、「組織としての考え」を生むということではないかと私は考えています。

思えば、日本のモノづくりを強力に推し進めたエネルギーに「カイゼン」がありましたが、これなども、小集団という「場」が効果的に機能した例だと思います。「場」というものを大切にすることは、難題が多いこれからの企業経営にとってとても有効なことではないかと思っています。「場」というのは、共通する目的を持った人々が集合するだけで自然発生的に出現することもありますが、例えば、サッカーファンが集まるスポーツバーなどですが、経営的判断をしなければいけないときなどは、なかなか自然発生するものではありません。特に、企業の存続がかかるような問題を前にしては、どんなに社員の意見も大切だと分かっていても、経営者は自分自身で答えを出そうとするでしょう。決して「場」に答えを求めようとしないのではないでしょうか。

しかし、すべてのことは現場で起こっています。経営者だけが経営視点だけの情報で足りているということはあり得ません。例えば、取引先との状況は数字を見ていても推移を追うことはできますが、実際の現場でどのような感情が企業間で起きているのかということは分かりません。そうであれば、現場の感覚的情報が非常に重要な要素ということになるのです。もし、現場に経営課題につながるような問題意識を持った「場」があれば、例えば取引先との長期的関係性の構築というようなテーマを話し合えるいろいろなセクションを集めた集団を作っておくというようなことですが、「私は経理ですが、先方の経理担当と話しているときに、支払サイトのことをいつも言われます。営業からは既に話をつけてあると聞いたのですが・・・」というような情報が入ります。このような情報は経営者にはおそらく入りにくい情報です。しかし、この情報から取引先が全社的に自社に対して信頼をおいていないということが分かるのです。そうだとすると、長期的関係性の構築という経営課題にとって捨て置けない問題の情報を得ることができるのです。

このように、組織の中でいろいろなセクションがそれぞれの現場で起こっている生の感覚を持ち込む「場」を作ることは、組織が触覚を持つと同時に、問題解決のための頭脳を持つことになるのです。トップダウン型の管理体制が強い組織運営をしている中では、なかなか生まれにくいのも確かです。

先ほどのカイゼンの例に見るように、日本は現場の小集団活動を大切にして経営をしてきた国です。その良さは、捨てるべきではないと思います。現場でおこっていること、現実におこっていることが個人の知っている情報として納めておくのではなく、集団の情報として共有することは、いろいろな知識と知恵を集めて課題を解決するための大事な入口になるはずです。

とはいえ、現場の人が自分たちで勝手に集団を作るわけにいきません。職場の上司や経営者が本気でその大切さを理解して、「場」を作るために働きかけなければいけません。それも、できるだけ肩に力の入らない自然な形で働きかける方がいいのです。オフサイトミーティングなどもできるだけ自然な形で「場」を作るための工夫なのではないかと思っています。「○○対策ミーティング」などという形では、仰々しさが残り、結果あまり生きたプロジェクトとならない可能性があります。

自然な形をとるためには、その「場」が楽しくなければいけません。楽しさがあれば、そこから「場」は活性化されていきます。「楽しさ」は重要なキーワードであることを覚えておきたいところです。「楽しさ」を共有することが「場」を作る最初のステップとして最も適していると思います。どうやって楽しくやるんだ、と悩むかたもいると思いますが、皆さん自身が楽しみたいことにみんなを巻き込めばいいのです。ただし、趣味を強要するのはよくありません。「第1四半期終了お疲れ様会」や「新期スタートキックオフ会」などを部下や社員が本当に喜んでくれる演出を考えて実施することなどがヒントになるのではないでしょうか。そのようなところで、「先月のあのミス発見は○○さんの大手柄だったので、表彰します」とか「今期一番輝いていた人を投票しましょう」などという方法で、参加者の考えていることをその「場」に出させるキッカケを作ると、いつか自分の考えを表に出すことに慣れてくるものです。

このような「場」を作れていると、いざというときに本当に役に立ちます。会社に危機的なことが起こっても、一致団結してそれに立ち向かえる組織が作れると考えています。

今年、私は、そんな「場」を組織の中に作るお手伝いを真剣にしてみたいという志を、新年にあたりたてました。

2012.1.6

12.伝える側の責任

先日、札幌でインテリアデザイン・店舗企画・設計の分野で活躍され、今や北海道以外のエリアでもその実力が認めらている株式会社アトリエテンマの長谷川演社長をお迎えして、「デザインを科学する」というテーマで講演をしていただきました。  株式会社アトリエテンマ

デザインには、モノの機能を伝える役割や、豊かな感情を手にしてもらう役割などを担っているという話を中心に、デザインとは何かということを参加者に問いかけながら、アートは作り手の自己本位な表現であっても良いが、デザインはあくまで使い手の視点にたたなければいけないことを教えていただきました。

ユーザー視点ということはビジネスの世界では常に言われることですが、クリエイティブの分野では意外に自己本位になりやすいこともあるのではないでしょうか。アトリエテンマほどの高いレベルのクリエイティブが一貫して「ユーザーに何を伝え、感じてもらわなければいけないか」という姿勢の上に成りたっていることに深い感銘を受けました。

セミナーの中で、4つのそれぞれ形の違う図形を組み合わせて参加者が各々自由な形(例えば、家のような形や矢印のような形)を作り、それをつい立越しに他の人に口頭のみで伝え、相手にも同じものを作ってもらう、というワークを行いましたが、そのワークの後長谷川さんから「ものを伝える際に、伝える側と聞く側の責任はそれぞれどれくらいあるでしょうか?」と問いかけられました。
答えは、「伝える側100%、聞く側0%」でした。
参加者全員、聞く側の責任もある程度あると感じていましたから、この答えは驚きでした。

何かを伝えるときに、伝わったかどうかその責任は100%伝える側にある。」確かに、この姿勢はプロフェッショナルな領域だと思います。

他の人とコミュニケーションを取りながら仕事を進めているとき、果たして私たちはこのような意識・姿勢で取り組んでいるでしょうか。もし、誰もがその意識・姿勢を持ち続けていたらもっと高いレベルの仕事、高い成果を生み出せるのではないかと思います。

そんなことを考えさせられた有意義なセミナーになりました。
長谷川さん 本当に感謝です。

*長谷川さんには、前回案内した「創心究和塾」本コースで講義を受け持っていただけることになっています。